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6回 紅茶と読書会 報告 

課題本 「動物農場」 

ジョージ・オーウェル 著
​2018/10/7@ 雑司ヶ谷

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「ジョージ・オーウェル著 動物農場」

1945年 発行 

 

~平等を掲げた「動物主義」の先にあるものとは

家畜として人間にこき使われる動物たちが反乱を越こし、農場主を追い出すことに成功する。

全ての動物たちは平等であるという「動物主義」を掲げ、ブタをリーダーとして
主義を実践しようとするが、指導する立場にあるブタは徐々に特権を拡大していく。

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以下内容に触れる箇所もございますのでご了承ください。  

-ご挨拶-

  紅茶と読書会 第6回 「動物農場」のレポートです。

 今回は10名の方にお集まり頂きました。

 

 今回の紅茶

  1. アイス煮出しミルクティー  Nilgiri Cragimore FP+ 牛乳(低温殺菌牛乳)

  2. ホットティー(ブレンド) Nilgiri Chamraj FOP & ASSAM SFTGFOP 2nd Flush   

■ソビエトをモデルとし、人を動物に例えた風刺寓話

動物たちが人間を追い出し、全ての動物は平等であると言う動物主義をかかげ「2本足は悪い、4本足は良い」

をスローガンに自分たちで農場を管理して行くと言う話、ですが少し読み進めていくと動物たちを指揮する立場にいるブタが、早い段階で自分たちを優遇していくのがわかります。

​何も予備知識がなければ動物達がかわいく頑張るほっこり系童話のような印象を受けるのでしょうが、徐々に漂う不自由な空気に読者は穏やかならぬモノを感じる事でしょう。

ソ連の権力構造や社会体制を寓話形式で批判、風刺した物語ですが、ソ連やナチス、共産主義や全体主義に限らずあらゆる国、地域、場所において当て嵌められる様な、普遍性を持ち合わせいる作品です。

​現代の日本に置き換えてもまったく違う社会であるとは言い切れないのではないでしょうか。

今回も課題本をまとめて撮影してみました。
 

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■動物農場を読んで、そして読書会を終えての感想

​今回は参加者の方々に感想を書いていただきました。

「政治に限らず勤務先の組織や所属するチームにも相通ずる部分を感じた」

「個人でも社会でも自分自身を100%だと思う事自体に問題を抱えていると思う。100%の人間もいないし100%の社会も無い。誰もが多少なりとも自分に対して懐疑的な目を向けて他の批判を受け入れる耳を持つことが重要だと思う。」

「動物農場はDISTOPIA作品の代表作の一つとして現代社会で生きている我々に継時的な作品であり、この本を読むことにより、社会政治に関して考えることが出来て良かった。」

「ただ自分で本を読むよりも人に追って違う見方や考え方を知ることが出来て面白い。今回の課題本では普段あまり興味を持っていなかった政治についても考えていかなければならないと思うきっかけとなった。知らなかった時代背景を知ることが出来た事も良かった。」

「ジョージ・オーウェル初読でした。政治的な内容でしたが読みやすく、話をシンプルにしているので引き込まれました。読書をしていても普段は自分の中だけで完了してしまうので、共有できる時間があることは貴重です。」

「自分にとって何が大事な事かそれを考えた読書と読書会でした。オーウェルはカタロニア賛歌の中で“自由を守るために戦う”書き実際に前線に行きルポを書いた。彼のように発言し、行動することが大事だと思っている」

「初めての会で緊張しましたが楽しく過ごすことが出来た。本を読んであまりにも何も考えずに生きている動物と自分が重なり、怖くなりました。政治歴史を学ぼうと思った。」

「笑える要素もあることが意外だった。ブタたちがミルクとリンゴを独り占めするところなど、組織社会について考えさせられる作品だった」

 

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​今回の課題本は政治的な内容だったので、やや重くなるかと思いましたが、あまりソ連の体制や歴史についてあまり言及されなかったのはやや意外でした。

権力をブタ、暴力を犬、盲目的に追従する者達を羊に例えたオーウェルのセンスはさすがです。

今までの課題本に動物が出てくる頻度が高いとご指摘を受けましたが、次回も山月記なので確かに動物ばかり出てきますね。今後もこっそり動物が出てくる作品を選んでいこうと思った次第です。

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